研究室セミナー & 今週の輪読

今週の研究室セミナーでは生物制御化学研究室の M2 の学生さんが下記の論文の紹介を行いました.
Gorman, Z. et al. (2020). Green leaf volatiles and jasmonic acid enhance susceptibility to anthracnose diseases caused by Colletotrichum graminicola in maize. Mol. Plant Pathol. 21: 702–715.

今週の輪読では下記の論文を取り上げました.
1856. Dressano, K. et al. (2020). Dynamic regulation of Pep-induced immunity through post-translational control of defence transcript splicing. Nat. Plants 6: 1008–1019.
1857. Kihika, R. et al. (2020). Compounds associated with infection by the root-knot nematode, Meloidogyne javanica, influence the ability of infective juveniles to recognize host plants. J. Agric. Food Chem. 68: 9100–9109.
1858. Wang, W. et al. (2020). Structural basis of salicylic acid perception by Arabidopsis NPR proteins. Nature 586: 311–316.
1859. Liu, Y. et al. (2020). Airborne fungus-induced biosynthesis of anthocyanins in Arabidopsis thaliana via jasmonic acid and salicylic acid signaling. Plant Sci. 300: 110635.

爆破予告は何事もなし

本日正午の茨城大学への爆破予告は結局何事もなくすみました.実は茨城大学だけでなく全国の国立大学法人に同じような爆破予告があったらしく,インターネット上のニュースなどで私が確認できたものは,東北大,群馬大,埼玉大,東京学芸大,山梨大,静岡大,浜松医大,富山大,名古屋大,岐阜大,三重大,琉球大へ同じ 27 日正午のもの,千葉大は日付が違って 24 日の予告があったようです.多分確認できていないだけでもっとあるのでしょう.

こういうのは騒いだら犯人の思う壺なのかもしれないのですが,大学や警察は無視するわけにもいかず茨大以外の多くの大学も今日は入構禁止になっていたようですが,東北大や名古屋大のように不審物への注意喚起や警備強化でやり過ごしたところもあったようです.

大学に爆破予告(5/27)

世間ではあちこちの教育機関が爆破予告を受けて授業や行事の妨害を受けていますが,ついに茨城大学にも 5/27 正午に大学を爆破するという予告があったそうです(大学の公式発表).この手の爆破予告のほとんどは単なる嫌がらせで実行は伴わないことはわかり切っているのですが,こういう予告があった以上は大学や警察も万が一を警戒せざるを得ず,5/27(木)は大学構内入構禁止,附属学校園は休校という対応をとることになりました.
幸か不幸か大学は新型コロナウイルス感染者クラスターの発生で,5/31 まで学生は入構禁止で授業は全て遠隔授業という対応をとっていますので,この爆破予告の影響は最小限ですみそうです.しかし,教育学部附属の幼稚園,小学校,中学校,特別支援学校は休校になってしまいましたので,通っている子供達やその保護者の方たちには多大な迷惑(子供は大喜びかも?)がかかってしまいます.
また,茨城大学は水戸,日立,阿見の 3 キャンパスだけでなく,東海サテライト,水戸駅南サテライト,水圏環境ステーション(潮来),五浦美術文化研究所(北茨城),宇宙科学教育研究センター(高萩)と茨城県内各所に拠点がありますが,今回の予告には対象施設は含まれていないらしく,これらの拠点全てで対応しなければなりません.
こういう爆破予告(おそらく威力業務妨害)の検挙率がどの程度かは知りませんが,この手の犯罪を防止するためには「そんなことして捕まったら割りに合わない」と思わせるしかないように思います.茨城県警に頑張ってもらって是非検挙して欲しいところです.

今週の輪読

現在研究室の学生も私も基本的には在宅ですが,輪読はオンラインで実施中です.今週は以下の論文を取り上げました.
1852. Saranya, G., Jiby, M.V., Jayakumar, K.S., Padmesh Pillai, P., and Jayabaskaran, C. (2020). L-DOPA synthesis in Mucuna pruriens (L.) DC. is regulated by polyphenol oxidase and not CYP 450/tyrosine hydroxylase: An analysis of metabolic pathway using biochemical and molecular markers. Phytochemistry 178: 112467.
1853. Lai, D. et al. (2020). Biosynthesis of cyanogenic glucosides in Phaseolus lunatus and the evolution of oxime-based defenses. Plant Direct 4: e00244.
1854.
Liu, H. et al. (2020). Bacillus pumilus LZP02 promotes rice root growth by improving carbohydrate metabolism and phenylpropanoid biosynthesis. Mol. Plant-Microbe Interact. 33: 1222–1231.
1855. Lu, W. et al. (2020). Improved annotation of untargeted metabolomics data through buffer modifications that shift adduct mass and intensity. Anal. Chem. 92: 11573–11581.

研究室セミナー

5/18 のブログに書いたように現在研究室は大学の新型コロナウイルス感染者クラスターの発生にによる学生・教職員のキャンパス入構制限のために学部長の戸嶋先生を除いてほぼ全員が在宅学習・勤務中になっています.
化学生態学研究室と合同で行っているセミナーはこの事態になる前から昨年 4 月以降ずっとオンライン開催でしたので,このような事態になってもそのままオンラインで継続です.
本日のセミナーでは今年度初めての論文紹介があり,M2 の学生が下記の論文について発表しました.
Kato, S. et al. (2021). Total synthesis and complete configurational assignment of amphirionin-2. Chem. Sci. 12: 872–879.

緊急事態措置で研究室も在宅活動中

茨城大学水戸キャンパスでは同一の課外活動参加者に新型コロナウイルス感染クラスターが発生しています(5/18 現在の情報).茨城大学として過去に例がない多くの感染というだけではなく,茨城県内でも有数の大規模クラスターとなってしまいました.そのため,茨城大学は水戸だけでなく阿見や日立キャンパスも含めて,5/31 まで「学内での集団感染発生に伴う緊急事態措置」を適用することになりました.
授業は全て遠隔授業になり,学生実験や実習は休講,大学に来て行う研究活動は生物や機器の管理などの必要最小限のことしかできなくなりました.生物制御化学研究室も植物の水やりを除いて皆自宅での研究しかできなくなりました.我々の分野は実験科学ですから,自宅での研究は関連論文を読んで情報収集したり,論文の書けるところを書いたりしかできない(これをできる時にやっておくのは重要ですが)ので,研究活動には大きなブレーキがかかってしまいました.
今後これ以上の感染者が出ずに,この緊急事態措置が 5/31 で終わってくれることを祈るしかありません.

年間計画発表会 & 今週の輪読

今週の木曜日には修士 1 年生と学部 4 年生の修士論文と卒業論文研究の年間計画発表会が生物制御化学研究室と化学生態学研究室合同で開催されました.修士 2 年は先週中間発表会を開催済みです.今年度の M1 2 名,4 年生は 6 名です.皆さん意欲的な計画で,計画通りに研究が進めば修論・卒論だけでなく原著論文もバンバン出そうなのですが,そこは計画通りにいかないのが研究の難しくも面白いところです.

今週の輪読では下記の論文を取り上げました.
1850.
Zhang, X. et al. (2020). Metabolite profiling for model cultivars of wheat and rice under ozone pollution. Environ. Exp. Bot. 179: 104214.
1851.
Miller, G.P. et al. (2020). The biosynthesis of the anti-microbial diterpenoid leubethanol in Leucophyllum frutescens proceeds via an all-cis prenyl intermediate. Plant J. 104: 693–705.

英語版ウェブサイトを公開

今まで一部のページの日英併記で対応していましたが,独立した英語版サイトを作成しました.しかし,日本語サイトの全ての情報を英語にしているわけではなく,研究業績,メンバー,イネのフィトアレキシン情報だけ英語で公開しています.特にイネのフィトアレキシン情報は英語版の需要もあるかもしれないので,なるべく日本語版と同時に更新を進めていこうと思います.

今週の輪読

今週はゴールデンウィークで実働二日でしたが,昨日は修士 2 年生の中間発表会が昼までかかったため,輪読は本日の一回だけしか実施していません.
1849. Kumar, V. et al. (2020). Phenylalanine increases chrysanthemum flower immunity against Botrytis cinerea attack. Plant J. 104: 226–240.

修士 2 年生中間発表会

茨城大学大学院農学研究科では修士 2 年生は 5 月に中間発表を行うことが義務付けられています.以前から大体どこの研究室でも年度始めには中間発表や年間計画発表などを行っていましたが,2 年前から研究科として正式に修士 2 年進級後に中間発表を行うことが義務付けられました.

今日は生物制御化学研究室と化学生態学研究室合同で,所属する 3 名の修士 2 年生の中間発表会が開催されました.このご時世ですので,発表は Microsoft Teams を用いたオンラインでの開催となりました.あと一年近くあるというように感じていても,修論研究のために実質的に実験を進められるのは半年ちょっとなので,ここから修論提出までは案外あっという間に過ぎてしまいます.修論だけではなく,できれば原著論文の投稿ができるように残りの時間を頑張っていただきたいと思います.

生物制御化学研究室ウェブサイトリニューアルが概ね完了

サイト管理を BiNDup から RapidWeaver に移行した生物制御化学研究室のウェブサイトのリニューアルが概ね完了しました.もちろん,これからも更新して内容を充実させていく必要はあるのですが,現時点でリニューアル前とほぼ同等以上の情報をアップできていると思います.

作成環境は RapidWeaver 8,定番の有料プラグインである Stacks 4(
YourHead Software),レスポンシブウェブデザイン(PC とスマホなどの違いに応じて表示を変えるもの)対応の比較的シンプルでうるさくない有料テーマの Mirage(ThemeFlood)です.サイトのバナー画像は RapidWeaver から直接アクセスできるフリー画像集サイト Unsplash から取ってきた水田の写真です.RapidWeaver は単体だけではできることが結構限られているのですが,サードバーティーのアドオンやテーマの開発が結構活発に行われているようです.

RapidWeaver では
Markdown を使ってコンテンツを書けるので,このウェブサイトでも基本的には Markdown を使って各ページの内容は書いています.もちろん Styled Text も使えるのですが,Markdown で書く方が慣れれば楽そうですし,書き出されるコードも綺麗なようなので,当面は Markdown 中心でいこうと思います.ただし,このブログページは Styled Text で書いています.どうも標準の RapidWeaver ブログエディタでは Markdown は使えないようです.

研究室のウェブサイトの構成は基本的に BiND 時代のものを踏襲していますが,教員の担当授業を紹介していた「教育内容」のページはメンバー紹介のページに統合しました.

現在気が付いている問題点としては,Stacks を使って,PC・タブレットは 2 カラム表示,スマホは 1 カラム表示設定にしているメンバー紹介とアクセスのページが大画面スマホ(iPhone 12 Pro Max など)だと 2 カラム表示のままで,スマホ対応の 1 カラム表示に切り替わらないという点があります.どうも,横幅 400 ピクセル以上ある端末は PC・タブレットとして認識されてしまうようです.